
考え方にひと工夫!簡単で効率的な正しいダイエットとは?
糖質制限ダイエットはその名の通り、糖質という栄養素を制限することで減量を目指す方法です。実はこの制限をどのくらいかけるのかで、痩せるメカニズムや注意点が異なるのです。どういうことか、さっそく見ていきましょう。
ハードな糖質制限では、糖質を含む食品を極力食べないようにします。主食(ご飯やパンなど)や甘いもの(お菓子や果物など)はもちろんNG。野菜でも糖質が多いものは控え目にします。その分、タンパク質や脂質(主菜や副菜=おかず)をたくさん食べて、1日に必要な摂取エネルギーを満たすというやり方です。
ハードな糖質制限をすると、脂肪が燃えやすくなり、体脂肪が減りやすくなります。もともと身体がエネルギーを作り出すときは糖質が一番優先されるのですが、糖質制限により体内の糖質が少なくなるので、代わりに脂肪をエネルギー源として使う回路が働き始めます。
ハードな糖質制限は、単なるダイエット目的ではなく、糖質を厳格に管理する必要がある方が試みるべきでしょう。ただ、そういう方は何らかの基礎疾患をお持ちのことも多く、たとえば糖尿病で血糖を下げる薬を投与されている方などは自己流で気軽に行うと高いリスクを伴う可能性もあります。
トライする場合は、かかりつけの先生に相談するか、糖質制限に詳しい専門家の指導のもとで行うことをおすすめします。
よくある糖質制限ダイエットは、糖質を完全に断つのではなく、できる範囲で減らすことです。例えば、いつも大盛りにしていたご飯を普通盛りや少量盛りにしたり、パスタに付いているパンをサラダに変えたり、甘いお菓子やデザートを控える、といった方法です。多くの人がやっている糖質制限ダイエットはこのような方法となります。
糖質が、人が生きていくためのエネルギー源になることは前述のとおりです。これが過不足なく使われていれば何の問題もありません。ただ現代の生活においては必要以上に糖質をとっているケースが多く、その余った糖質が体に蓄えられたものが体脂肪・余分なぜい肉、というわけです。このとりすぎを減らせば、当然体脂肪・余分なぜい肉が減る、すなわちダイエットになるという、まさにダイエットの王道、というわけです。
ただし、糖質摂取量を減らすことだけを考えるのはよくありません。ダイエットの目的は単にやせることではなく、元気で健康な体を維持・構築することです。糖質の摂取を減らした場合は、必ずその分、1日の活動に対する必要エネルギーや、血となり肉となり骨となる栄養素であるタンパク質や脂質・ミネラルやビタミンを多く含むものをしっかり摂取するよう心がけることが大切です。
ここで「イージー」と呼ぶ糖質制限は、単に糖質をとらないようにするのではなく、とる食品を選択することで、糖質が体に入ってくることを抑制しよう、というやり方です。具体的には、同じご飯でも精白米ではなく玄米や雑穀にする、同じパンでも白いパンではなく全粒粉の茶色いパンを選ぶなどです。
炭水化物には、糖質と食物繊維が含まれています。一方、玄米や雑穀、全粒粉は、精白米や白い小麦粉と比べて食物繊維が豊富で、糖質が少なめです。同じ量の食事をとっても、豊富な食物繊維が糖質の吸収をおだやかにしてくれるおかげで、血糖値の上昇がマイルドになり、動脈硬化を引き起こす血糖値の急上昇(グルコーススパイク)を防いでくれる、とされています[1]。そのため肥満ホルモンとされるインスリンの分泌量を減らすことが期待でき、結果としてそれが肥満予防・体重減少につながると考えられています。
ただし、この方法はイージーなだけあって、ハードやノーマルに比較してダイエットの効果を実感するまでに時間がかかります。糖質だけでなく食事全般のバランスを見直したり、運動も並行して行うことが重要です。
ここまで、糖質制限をその制限レベルに応じて3段階に分け、それぞれの方法やメカニズムなどを解説してきました。あなたの生活スタイルに合ったものを選んで、試してみてください。
ダイエットは、何か一つだけやろうとすると失敗しやすいものです。今回紹介したイージーの糖質制限くらい楽で続けやすい食事改善と運動を同時並行で複数行うことをおすすめします。このサイトでもさまざまなダイエット法や運動法、リラックス法を紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
[1]糖尿病患者における食品の摂取順序による食後血糖上昇抑制効果 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/53/2/53_2_112/_pdf