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ダイエット
2019.12.17

妊婦はどうダイエットすべき?体重増加の目安と体重管理が必要な理由とは

お母さんの健康を守り、赤ちゃんの発育を確認するために欠かせない妊婦健診。エコー検査で赤ちゃんと会えるという楽しみの反面、毎回の体重測定を考えると気が重い…という方も多いのはないでしょうか。適切な体重管理は妊婦にとって大切なものですが、それはなぜなのでしょうか。まずはその理由から説明しましょう。

あなたはどのタイプの妊婦?

妊娠すると、胎児や胎盤、羊水、子宮や血液の増加分などを合わせただけで約8kgになります。これに加えて、お産や授乳のための脂肪のストックも必要です。つまり、妊婦にとって体重は出産に向け増えるべきもの。その体重増加は多すぎてもいけませんが、少なすぎてもいけないのです。

母子手帳にも記載がありますが、妊娠する前の体型(BMI)によって、体重増加量の目安は変わります。厚生労働省が設定する、妊娠全期間を通じての推奨体重増加量は以下のとおりです[1]。

  • 妊娠前の体型がやせ(BMIが18.5未満):9~12kg
  • 妊娠前の体型が普通(BMIが18.5以上25.0未満):7~12kg
  • 妊娠前の体型が肥満(BMIが25.0以上):個別対応(25をやや超える程度なら5kgが目安)

※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

また、1週間あたりの体重増加のペースは以下のとおりが適切と言われています(妊娠中期~末期の場合)[1]。

  • 妊娠前の体型がやせ:0.3~0.5kg/週
  • 妊娠前の体型が普通:0.3~0.5kg/週
  • 妊娠前の体型が肥満:個別対応

ここでは、妊婦健診などで体重やその増加のペースが早く、気をつけるように指示された場合と、妊娠前の体型がやせ(BMIが18.5未満)で、理想の体重増加ができていない場合に分け、気をつけるべきことと対策について述べていきます。

「体重増えすぎ妊婦」の問題点と対策

妊婦健診で、体重増加のペースが早すぎてしまい、体重に気を付けるように指示されてしまったという場合は多いでしょう。特に妊娠前から肥満体型(BMIが25.0以上)の人では、必要以上の体重増加は厳しく指導されることも。

体重が増えると以下のようなリスクが考えられます[2]。お母さんの体重が増えすぎることは、産まれてくる赤ちゃんにとってもリスクがあるため、管理が必要だと考えられているのです。

  • お母さん側のリスク:妊娠合併症(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病)のリスクが高い、帝王切開が必要になりやすい
  • 赤ちゃん側のリスク:巨大児、神経管閉鎖障害、死産などのリスクが高い

生活習慣を見直すには「ログ」が重要

個人差がありますが、妊娠中はただでさえ体が重く、動きたくないもの。日々感じる生活上の制限に対するストレスからつい食べ過ぎてしまったり、とつぜん甘いものが食べたくなったりと、体重以前に自分をコントロールすることが難しいものです。

その中でおすすめしたいのが、妊娠中の「ライフログ(生活の記録)」です。毎日決まった時間に測った体重と食べたものを記録しておくと、改善すべき食習慣に気づきやすくなりますし、妊婦健診などの場で医療者に記録を見てもらえば具体的なアドバイスをもらいやすくなります。最近では妊娠中の記録をつけることができるアプリも多数あります。食事も含め、体調や気持ちの変化なども一緒に書き留めておくとよいでしょう。旦那さんと共有するのもよいですね。コツとしては一日のカロリーの所要量から逆算して、「何ならどのくらい食べてもよいのか」を考えてみることです。これもアプリなら比較的簡単にできます。加えて以下のことを参考にして実践してみましょう。

  • 3食規則正しく食べる
  • 食事量は朝食を一番多くし、その次に昼食、夕食は一番少なくする
  • 甘いものが食べたければ昼にする
  • 20時以降、もしくは就寝3時間前には食べない
  • 上の子の食べ残しを食べない
  • 単品メニューではなく、定食のような献立を選ぶ
  • よく噛んでゆっくり食べる

これらのことは妊娠中のみならず、健康的な食生活の基本です。妊娠中はむしろ、それを身につけるよいチャンスかもしれません。

「体重増えなさすぎ妊婦」の問題点と対策

一方、妊娠前の体型がやせ(BMIが18.5未満)で、理想の体重増加ができていない場合はどうでしょうか。実は今、これが産婦人科医のなかでとても大きな問題になっています[3]。つわりがひどくて食べられない、体質的に太れない、という場合もありますが、元々やせ体型の人が産後の体型の崩れを気にして体重増加を最小限に抑えようとする場合も。しかし、過度な「やせ」は、お産だけでなく赤ちゃんの将来の健康にも悪影響を及ぼすと考えられているのです。

妊婦のやせは、3世代にわたり悪影響を及ぼす

妊婦がやせていると、切迫早産や早産、低出生体重児(2500g未満)のリスクが高まります。また、これだけではなく、赤ちゃんが成長した後に生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)になりやすくなってしまうと言われています。また、その赤ちゃんが女の子の場合は、やがて成長して妊娠したときに妊娠合併症(妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など)が起こりやすくなります[4]。

どうして、こんなことが起こるのでしょうか?それは、お母さんがやせていることで、お腹の中の赤ちゃんが「外界は食べものが不足している」と判断し、飢餓状態でも生きていけるように「倹約型」の体質(代謝経路)にセットされるからです。少ない食べものを効率的にエネルギーとして使えるよう、燃費の良い状態で産まれてくるというわけです。そのため普通に食べていても太りやすく、生活習慣病になりやすくなってしまいます。また、その子が女の子なら、妊娠したときに妊娠糖尿病などの合併症を起こしやすくなります。

妊娠中はバランス良く栄養を摂ろう!

とはいえ、元々やせている人が妊娠をきっかけに体重を増やそうとしても、なかなか難しいのが現実です。「赤ちゃんのためにも太らなければ」と、ジャンクフードやお菓子など、高カロリーで栄養が乏しいものをたくさん摂ろうとする人もいますが、栄養バランスを崩してしまい、かえって身体に良くありません。毎日の食事を、主食、副菜、主菜、牛乳(乳製品)、果物を揃えた献立にすれば、自然と栄養バランスが整いやすくなりますよ。この場合も、アプリなどで「ログ」をとるのがおすすめです。

例えば、妊娠末期や授乳期では以下の量を目安にしてください(1日分)[5]。

  • 主食:ごはん中盛り2杯、うどん1杯、パスタ1皿
  • 副菜:野菜炒め、煮物、サラダ、具だくさん味噌汁、青菜のお浸し
  • 主菜:ハンバーグ、納豆、焼き魚
  • 牛乳(乳製品):牛乳瓶1本、ヨーグルト1個
  • 果物:みかん2個、リンゴ半分

体重を増やさないように指示された場合でも、体重をもっと増やすよう指示された場合でも参考になる資料として、「妊産婦のための食事バランスガイド」や「ママのための食事BOOK」があります[5]。ぜひ一度目を通してみてください。

妊娠中の体重の増減は、ストレスの感じ方やつわりなど、個人差が大きなものに影響される面もあります。どうして自分だけこんなに苦しいのだろうか…と思う人もいるでしょう。体重管理は大切なものですが、そのことでさらにストレスを感じすぎるのもよくありません。たまには食べ方を工夫して外食やスウィーツを楽しみ、ストレスを発散してみてください。つらいこともありますが、それも産まれてくるまでという限られた期限のものです。ぜひ、自分なりの工夫で楽しんで体重管理と向き合ってみてください。

参考文献

[1]「健やか親子21」推進検討会. 「妊娠期の至適体重増加チャート」について. 妊産婦のための食生活指針,2006. https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a4.pdf(参照2019-10-25)
[2]日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会. 妊娠前の体格や妊娠中の体重増加量については?(CQ010) ,産婦人科診療ガイドライン―産科編2017
[3]日本産婦人科学医会. 妊娠と栄養~ちいさく産んでおおきく育てようとしないでください~. 第95回日本産婦人科医会記者懇談会(平成28年2月10日). http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/01/95_160210.pdf(参照2019-10-25)
[4]荒田尚子. 胎児プログラミング仮説の基礎. ペリネイタルケア 2018; 37(10): 23-27.
[5]厚生労働省. 妊産婦のための食習慣. http://sukoyaka21.jp/syokuiku(参照2019-10-25)

(株式会社リッチメディアの監修専門家による記事内容の監修を行いました。2019.12.17)

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