
考え方にひと工夫!簡単で効率的な正しいダイエットとは?
自宅で行う筋トレの効果が今ひとつで悩んでいるなら、筋トレとあわせて「BCAA」を取り入れてみるのがおすすめ。BCAAとは何なのか、効果的に取り入れていくために注意したいことは…などについて紹介します。
BCAAを飲む前に、働きと効果的な摂取方法についてみていきましょう。
BCAA(分岐鎖アミノ酸、Branched Chain Amino Acids)とはタンパク質の構成成分であり
という3種類の必須アミノ酸の総称です。
人間の体は20種類のアミノ酸からできています。うち9種類は体内で合成できないため、食品からとる必要のある必須アミノ酸です。BCAAは他のアミノ酸と同様、筋肉など体をつくる材料になるとともに、タンパク質や糖質の代謝を調整する働きがあります。特にロイシンは、筋肉の合成に重要な役割を担うことがわかっています[1]。
BCAAのサプリメントは、筋肉量を増やすとともに、運動時の筋肉のタンパク質分解を抑えるために活用されています。
長時間の運動を行うと、体はまず糖質や脂質をエネルギーとして使用します。それらが不足すると、タンパク質やアミノ酸を使用するようになります。その際エネルギーになりやすく、筋肉で直接代謝されるBCAAが使われます。運動前にBCAAを補給しておくとそちらが分解され、筋肉のタンパク質分解が抑制されるというしくみです。
サプリメントでBCAAを取り入れた場合にはどのような効果が期待できるのでしょうか。
運動習慣のない健康な人に、5gのBCAAを摂取させてからスクワット運動をさせたところ「摂取してないグループに比べて翌日以降の筋肉痛が軽く感じられた」との報告があります[2]。筋肉痛が軽くなるのであれば、そのぶん筋トレを長く続けられるでしょう。
効果に対して肯定的な研究もあれば、そうでない研究もあります。たとえば100kmマラソンのレース前と最中にBCAAを摂取させた実験では、筋肉痛の軽減効果は見られなかったという報告もあります[3]。
BCAAにはこのほかにも
などが期待されていますが、これらの効果を科学的に示すエビデンスはまだ十分とはいえません。今後のさらなる研究に期待したいところですね。
BCAAは必ずしもサプリで摂取する必要はありません。通常の食事を取っていれば、BCAAが不足する心配はないでしょう。特に運動後に十分なタンパク質を取っている方はあまり気にする必要はありません。
ただし食品の場合、アミノ酸に分解されてから吸収されるまでに時間がかかります。運動前にスピーディーに補給したい場合はサプリメントが適しています。
BCAAは普段の食生活の中でも摂取可能です。たとえば次のような食品に多く含まれています。
この他にも、牛乳やチーズなどの乳製品にも含まれています。
運動する30分前~運動中のタイミングで摂取するのがおすすめです。1日あたり10~30gの範囲の摂取であれば、安全だと考えられています[4]。
BCAAには筋肉の分解を抑制し、合成を促進する働きがあります。運動のパフォーマンスを上げたり、筋肉痛のつらさを軽減する効果については今後の研究結果に期待が高まりますが、筋トレを効率よく行いたい人はもちろん、筋トレに興味があるけど続けられない、筋肉痛を防ぎたいという人は一度試してみるのもよいかもしれません。
運動にともなう筋肉痛を防ぐには、運動の前後にストレッチをするのもおすすめです。
[1]下村吉治. 分岐鎖アミノ酸代謝の調節機構. 日本栄養・食糧学会誌 2012; 65(3): 97-103
[2]Shimomura Y, et al. Branched-chain amino acid supplementation before squat exercise and delayed-onset muscle soreness, Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2010; 20(3): 236-244
[3]Knechtle B, et al. Branched-chain amino acid supplementation during a 100-km ultra-marathon–a randomized controlled trial, J Nutr Sci Vitaminol 2012; 58(1): 36-44
[4]香川明夫. 七訂 食品成分表 2017 初版. 女子栄養大学出版部 2017