
目の疲れの解消法について
日頃運動をしない人にとっては、とてもハード…というイメージがありますが、走り慣れるとやみつきになる人も多いのがランニングです。
最近では全国各地で市民ランナーの大会も多く開かれています。ランニングウェアもバラエティ豊富でおしゃれなものが増えました。趣味の一つとして挑戦してみようかと思っている人もいるかもしれません。しかし、初心者がいきなり長距離を走り始めるとケガにつながる場合もあるため、無理は禁物です。
あまり運動していなかった人が、ダイエットや体力アップと意気込んでランニングを始める場合、どのような段階を踏むと長く走れるようになるのでしょうか。健康をそこなわないための注意点とあわせてご紹介します。
ランニングとジョギングは同じ長距離走。違う言葉で言い換えているだけ?と思うかもしれませんが、走る目的に違いがあります。
ジョギングは健康維持や体力維持のためにタイムを定めず軽く走ったり、陸上競技などのウォームアップを目的として行われます。走るスピードはゆっくりの傾向が強く、歩くのと同じくらいのスピードで走ることもジョギングに入ります。
一方、ランニングはタイムや距離を目標に定めるものです。タイムや距離、レースなどを目指す走り方はランニング、タイムや距離の目標を持たず、体を温めたり日常的な運動習慣として走る場合はジョギングと考えるとよいかもしれません。
ランニングとジョギングでは、走る速さによって運動強度が違うため、それに比例して消費カロリーも変化します
運動の消費カロリー(kcal)=1.2×(メッツ-1)(kcal/kg/時)×運動時間(時間)×体重(kg)
やや速足のウォーキング、ジョギング、ランニングの運動強度は、平成25年に厚生労働省から発表された資料では以下のように定義されています[1]。
仮に体重50kgの人がそれぞれの運動を30分ずつ行った場合の消費カロリーは、以下のように計算されます。
同じ時間続けられるなら、ランニングはやや速足でのウォーキングの倍以上のカロリーを消費できるということです。
また、運動単独で内臓脂肪を燃焼させる場合は、週に10メッツ・時以上の有酸素運動が必要だと考えられています[2]。10メッツ・時以上の運動量を実現するには、それぞれ1週間あたりに必要な時間も異なります。
ただし、内臓脂肪燃焼を目的とするなら上記の時間を連続して運動する必要はありません。1日に30分の運動を行っても、10分の運動を3回行っても減量効果に差はないことが報告されています[3]。まとまった時間が取れなくても、1週間に合計で上記の時間以上取り組めればよいでしょう。
無理のない範囲であれば、ランニングがより短い運動時間で効率的に脂肪を燃焼できることになります。とはいえ、今まであまり運動していなかった人がいきなりランニングをしようとしても、続けられないことの方が多いですよね。そのような場合、体力と心肺能力を徐々に鍛えて、長い距離を走れるようにすることが大切です。
ここ数年、ほとんど運動なんかしていないという人は、いきなり長距離を走ろうとするのは無謀です。膝などに負担をかけて痛めた場合、元も子もありません。ここで紹介するステップ1から徐々に走れる体を作り上げていきましょう。
ジョギングやランニングよりも運動負荷が少ない有酸素運動がウォーキングです。少し汗ばむくらいの速さで、生活の中で積極的に歩くようにしましょう。
会社で2フロア上、3フロア下の移動なら階段を使ったり、歩いて15分程度の距離なら、車や自転車に乗らず歩いたりと、日常の工夫で歩く機会は増やせます。慣れてきたら、長距離を歩くことも意識しましょう。5kmを1時間くらいで歩ければ、体力がだいぶ上がってきているでしょう。
体力がついてきたり身体を動かすことが楽しくなってきたら、次の目標はウォーキングとジョギングを5kmほど続けられることです。
はじめの1kmほどはウォーキングで体を温め、ゆっくりとジョギングを行います。ジョギングは歩く速さと同じくらいゆっくり走るだけでも十分です。走っていて疲れたら早足のウォーキングにし、疲れが回復してきたらまた走る、とくりかえしましょう。
ウォーキングとジョギングを交互にくりかえすうちに、長くジョギングできるようになります。少しずつ5kmの中で走れる距離を伸ばし、同じ距離を短時間で走れるようにジョギングとウォーキングをくりかえしましょう。あきらめずにトレーニングを続ければ、ランニングの速さで長距離を走れるようになるはずです。
走るときには、つい速さを意識したくなりますが、体への負担を少なくするには走り方に注意しなければいけません。ランニング時の注意点をご紹介しましょう。
ステップアップしてランニングが続くようになっても、以下のポイントに気をつけましょう。
汗をかくと、水分とともに体内のナトリウムも流れ出ます。そのため、水分だけでなくナトリウムも補給することが大切です。
汗をかいてナトリウムを失っても水だけをとり続けていると、体液のナトリウムの濃度が低くなります。体はナトリウム濃度を一定濃度に保つため、せっかくとった水分を排出してしまい、脱水状態が回復しないので同時に摂取することが重要です。
特に多く汗をかく夏場は、水分だけでなくスポーツドリンクなどでナトリウムも適量おぎなうようにしましょう。
運動すると体温が上がりますが、その熱を放出できないと体温が上がり続けてしまい、運動のパフォーマンスが悪くなります。熱中症の危険がある真夏の日中はランニングを避け、朝や日没後などの比較的涼しい時間帯をねらいましょう。
また、日陰の多いランニングコースを選んだり、水や氷で体を冷やしながら走ったりするのもよいでしょう。天気が悪かったり暑すぎるときは、ジムのランニングマシンなどでトレーニングする方法もあります。しっかりパフォーマンスを発揮するだけでなく、熱中症を予防するためにも、無理しすぎないでくださいね。
疲れにくい走り方のポイントは、着地するときも地面を押すときも、足裏全体でまっすぐ踏み込むようにすることと、ひざとかかとを結んだ線が、地面に垂直になるように走ることです。
足をあまり前につくとかかとで着地することになり、脚への負担が大きくなります。ケガを防ぐためにも、1歩の歩幅を大きくするのではなく、正しいフォームを意識できるペースで走りましょう。
ランニングは比較的運動強度の高いスポーツです。しっかり走り切れるようになるには、日ごろのトレーニングで徐々に体を作り、ケガがないように正しいフォームで走ることが大切。
今回はまったくの初心者がランニングを続けられるようになるためのステップを中心にご紹介しました。いきなり無理をするのは禁物ですが、徐々に体を慣らしていけば、目標のタイム達成やレース出場も夢ではありません。しっかりランニングできる体を手に入れて、より軽やかな毎日を送りましょう!
[1]厚生労働省.“運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書” 報道発表資料. https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpqt.pdf(参照2019-08-22)
[2]厚生労働省.“内臓脂肪減少のための運動” e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-002.html(参照2019-08-22)
[3]Ohkawara K, et al. A dose-response relation between aerobic exercise and visceral fat reduction: systematic review of clinical trials, Int J Obes 2007; 31(12) 1786-1797