
考え方にひと工夫!簡単で効率的な正しいダイエットとは?
脂肪燃焼による減量や体力づくりに適しているといわれる全身運動。その中でも特に、水泳はゆったりとした動きでも運動の負荷が高く、全身の筋肉を使えるため効果的です。実際に水泳に期待できる効果や消費カロリー、運動効果をより高めるためのポイントをご紹介します。
水泳は、泳法や泳ぐスピードによって運動強度を調整できる運動です。
運動強度はメッツという単位で示されます。横になったり座ったりして楽な体勢をとっているときを1メッツとし、運動時に消費するエネルギーが何倍になるかを示したものです。メッツ・時はメッツと運動した時間をかけたもの。たとえば3メッツの運動を1時間半行ったら3×1.5=4.5メッツ・時となります。
厚生労働省の発表によると、18~64歳の健康維持のためには、日常生活の中で強度が3メッツ以上の身体活動を1週間あたり23メッツ・時行うことが推奨されています。3メッツの運動であれば、1週間に合計で7.7時間以上行うと23メッツ・時/週以上になります。
水中で行う運動は、ほとんどが3メッツ以上の運動量です[1]。
自分の体力などに合わせて運動量を調整してみましょう。
水泳によって消費できるカロリーは、体重によっても変わります。
エネルギー消費量の計算式は、体重 × METs × 運動時間(分)となります[2]。例えば8.3メッツになるクロールを10分間行った場合、消費できるカロリーは次のとおりです。
(小数点以下四捨五入)
ほんの10分程度でこれほどのカロリーが消費できます。ウォーキングなどに比べて3~4倍ほどのカロリーが消費できるので、ダイエットにも効果的だといえるでしょう。
水泳は全身を効率よく鍛えるのに効果的な運動です。筋肉量をアップさせることができるので、基礎代謝も上がり、太りにくく痩せやすい身体を作ることができます。ふだん運動する際に足腰の痛みが気になる方でも、水中では浮力で比較的痛みを感じずに運動することができます。数ある運動の中でも消費カロリーが高いのが魅力で、効率よくダイエットができるのもメリットです。
泳ぎ方によって鍛えられる筋肉が異なります。泳ぎの種類ごとに強化が期待できる筋肉を押さえておきましょう。
全身の筋肉を鍛えるのにぴったりの種目です。中でも上半身の筋肉を鍛える効果が高く、広背筋や肩関節周辺の筋肉量がアップするほか、大腿四頭筋も強化されます。
広背筋や僧帽筋、上腕三頭筋を鍛えられる種目です。さらにお腹に力を入れて姿勢を保持する必要があるため、腹筋やインナーマッスルも鍛えることができます。
主に脚の筋肉を鍛えるのに効果的で、内転筋や股関節まわりの筋肉がつきます。また、上半身の僧帽筋・三角筋を鍛えるのに最適です。ただし、腰痛・膝の痛みがある方は避けましょう。悪化する可能性があります。
難しい泳ぎ方であるのがデメリットではありますが、全身を効率よく鍛えられます。クロールで物足りなさを感じるようになった方にも向いているでしょう。ただし、腰に負担がかかるため、腰痛がある方は避けましょう。
泳ぎの苦手な方はクロールの足だけキックの感覚で顔を上げても、つけてもOKです。トライしてみましょう。
体脂肪消費を目的にしている場合は、水泳前に筋トレをすると効果的に脂肪を燃焼させることができます。また、泳ぐ際にはどの筋肉が刺激されているのかをしっかり意識しながら行いましょう。
フォームが崩れてしまったりすると筋肉に効率よく働きかけることができないので、疲れすぎない範囲で行ったほうが効果的です。
全身を鍛えるのに特におすすめなのがクロールです。次のポイントを押さえた上で泳ぎましょう。
1つ1つの動作やフォームを事前によく確認して頭に入れてから泳ぐのがおすすめです。
多くの方は30~45分程度を目安にしています。無理をせずはじめは短い時間から、慣れてきたら徐々に時間を伸ばしていくのがおすすめです。
クロールはほかの泳ぎ方の基本にもなる泳法。うまく泳げるようになれば、泳法の幅も広がります。
ただし、運動は続けることが大切です。プールに行った後数日は疲れて動けない…ということがないよう、体力に合わせてトレーニング内容を調整しましょう。
水泳で消費するカロリーやトレーニング方法について解説してきました。水泳は消費カロリーが多いだけでなく、普段あまり使わない筋肉も使う全身運動なので筋肉量アップも期待できます。体力をつけることにもつながるので、その他の運動も取り入れやすくなるでしょう。
プールに行くのはいろいろ準備があっておっくう…という人も、週1回でも通ってみませんか?続けるうちに動きが軽くなっている自分に気づけるはずです。
[1] 中江悟司ほか. “改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』” 国立健康・栄養研究所. https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf(参照2019-07-11)
[2] 中江悟司ほか. “改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』※体重別エネルギー消費量付き(安静時代謝量含む)※” 国立健康・栄養研究所. http://www.nibiohn.go.jp/files/2015mets.pdf(参照2019-07-11)