
ケガゼロのベテランサッカー選手が実践!疲労回復を先回りする「ケガ予防」のケアとは?
突然、ふくらはぎや太ももの筋肉がひきつれたように痛むことがありますよね。いわゆる「足がつる」「こむら返り」と呼ばれる症状です。運動中もさることながら、寝ているときに起こると睡眠が妨げられ、とても不快なものです。医学的には「有痛性筋痙攣」という、いかにも痛そうな名前が付いています。ここでは足がつる原因とその対処法をご紹介します。
まず、どうして足がつるのでしょうか。原因が気になりますよね。体内のミネラル(電解質;Na、Ca、K、Mgなど)の濃度の異常、運動神経の過度な興奮、老廃物(代謝産物)の蓄積、血流不足などが関係しているのではないかといわれていますが、実はまだはっきりと解明されていません[1]。
誘因ははっきりしませんが、足がつるという状態は一部の筋肉だけが異常に収縮することで起こっています。ですから、その部分の筋肉を伸ばしてあげれば症状が軽減されます。つまり膝を伸ばして座り、つっている方の足の膝を伸ばして、つま先を持って足の甲を身体の方向に引っ張ります。こうすると、筋肉が伸ばされて足のつりの状態が落ち着きます(伸ばし過ぎには注意してください)。また、つっている筋肉を足先から体幹に向かってこするようにマッサージするのも良い方法です。
足がつったときの対処法がわかったところで、次は予防法について考えてみましょう。
まず、運動中に足がつらないようにするには、運動前の準備体操と運動中の水分・ミネラル補給が大事です。また、普段からストレッチをして筋肉を伸ばしておくとよいでしょう。足のつりを予防するストレッチ法をご紹介します。以下を1日に数回繰り返してください[1]。
寝ているときなどの安静時に足がつりやすい人は、もしかすると脱水が原因かもしれません。特に飲酒後に足がよくつるようなら、飲んでいるうちから寝る前まで、しっかり水分補給をしてください。お酒を飲んでいないときも、寝る前にはコップ1杯程度の水を飲んでおきましょう。
就寝時の環境も見直してみてください。例えば夏、低い温度のまま冷房をつけっぱなしで寝たり、足が布団からはみ出していたりすると、筋肉が冷えて血行不良になり、足がつりやすくなります。布団から足が出ても冷えないように、長ズボンのパジャマを着てみるのもよいでしょう。
また、寝返りをうつタイミングで筋肉がうまく対応できず、足がつるという場合も考えられます。寝る前に足のストレッチをすると予防できるかもしれません。上記で紹介したストレッチ方法を参考にしてください。
ここまでに解説したことをやってみても、毎日のように足のつりに悩まされているようなら、もしかすると飲んでいる薬や病気の影響によるものかもしれません。そのような場合は、いつも薬をもらっている主治医やかかりつけ医、もしくはお近くの内科、もしくは脳神経内科クリニックの医師に相談してみましょう。
[1]高尾昌樹. こむら返り(有痛性筋痙攣). Medicina 2004; 41(8): 1361-1363