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肩関節のあたりが痛くて眠れない、髪を束ねる、エプロンの腰ひもを結ぶといった動作がつらい…などの経験をしたことはありますか?その症状、四十肩・五十肩の可能性があるかもしれません。
四十肩・五十肩の症状は、しばらく我慢していると軽快するでしょう。しかし、痛いのに無理やり動かしていると、さらに悪化するおそれも。まずは、症状や原因をしっかり理解することから始めましょう。
肩の関節は、上腕骨・肩甲骨・鎖骨の3つの骨で支えられています。また、軟骨や腱がこれらの骨をサポートしています。
肩を酷使すると軟骨や腱など肩関節の周りに損傷や炎症が起こり、痛みが起こります。さらに進むと、肩の関節を覆っている袋状の組織が炎症によって硬くなったりくっついたりしてしまい、関節の動きまで悪くなることがあるのです[1]。
こうした痛みや動かしづらさは中年以降に起こることが多く、一般的には「四十肩」「五十肩」と呼ばれていますが、多くの場合は診断名として「肩関節周囲炎」が使われています。また英語のfrozen Shoulderから、「凍結肩」という名称で呼ばれることもあります[2]。
四十肩・五十肩の典型的な症状には以下のようなものがあります。心当たりはあるでしょうか。
腕を上げたときなど「もうこれ以上、上げられない」というところで痛みが発生することがあります。その後は、腕を動かしても、じっとしていても痛みを感じることが多いでしょう。
夜中にズキズキとした痛みに悩まされます。寝返りをきっかけに痛みがぶり返し、眠れなくなることもあります。
激しい痛みがひと段落すると、肩が上がらない、回せない…といった可動域の制限が起こります。日常の動作で棚の上の物を取ったり、着替えをしたりしたときに肩が思うように動かせなくなることが多いでしょう。
痛みとともに肩の動きが悪くなってから、1年ほどで自然と症状が回復するのも四十肩・五十肩の特徴です。
四十肩・五十肩は自然と軽くなることが多い症状です。ですが激しい痛みや肩が動かせなくなることにより、日常生活に不便を感じてしまいます。悪化を防ぐには、以下のようなことを心がけましょう。
激しい痛みがあるうちは無理に肩を動かそうとせず、安静にすることが大切です。できるだけ肩を使わないために、三角巾やアームスリングを使用するのもよいでしょう。
痛みがつらいときは病院を受診し、痛み止めの注射や内服薬を処方してもらう方法もあります。夜は痛いほうの肩を下にして横向きになると、比較的眠りやすくなりますよ。
ほとんど痛みを感じなくなったら、「コッドマン体操」などの運動を取り入れて少しずつ肩を動かす練習をしましょう。
アイロンや水の入ったペットボトルなど、重りを使って肩周りの腱を伸ばしながら、可動域を広げていく体操です。
腕を振り子のように前後・左右に振りながら、動きを徐々に大きくしていきましょう。肩の力ではなく、身体の反動を使うのがポイントです。
運動によって痛みがぶり返したら、ただちに中止し、様子を見ましょう。痛みが続くようなら、医師に相談してください。
肩は日常生活のなかでも、よく動かすパーツの一つです。痛みを感じることで初めて「これまでずいぶんと肩を酷使していたんだな」と気づくことがあるかもしれませんね。
今後も肩の動きに不便を感じることなく、元気に暮らしていくためにも、日頃から肩をいたわることが大切です。予防の運動を取り入れる、痛みを感じたら病院を受診する…など、適切な行動を取るようにしましょう。『四十肩・五十肩を予防するには?毎日取り入れたい運動やストレッチ』も、参考にしてみてください。
[1] 日本整形外科学会. “五十肩(肩関節周囲炎)”日本整形外科学会webサイト https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html(参照2019-08-21)
[2]村木孝行. 肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン, 理学療法学 2016; 43(1): 67-72