
考え方にひと工夫!簡単で効率的な正しいダイエットとは?
頭がズキズキと脈打つように痛む片頭痛は、くり返すことが多いもの。よく起こる片頭痛に備え、バッグには常に頭痛薬が入っているという人もいます。このような片頭痛は、なぜ起こるのでしょうか。まず、自分の片頭痛の特徴を知ること。そしてそれに合った予防や対処法を知ることが不安を解決する鍵となります。
片頭痛には、痛み方や痛む部位、痛みが出る前兆など以下のような特徴があります[1]。
頭痛の予兆は、感じる人もいれば感じない人もいます。生活に支障をきたさないよう、できれば予防したいですし、頭痛が始まっても早めに改善したいものですよね。
予防・対処にはまず原因を知ることが大切です。片頭痛の原因にはどのようなことがあげられるのでしょうか。
片頭痛の発生メカニズムや原因は明確にはわかっていませんが、近年では「三叉神経血管説」という説が有力です[2]。
この説では、何らかの刺激によって頭蓋内の血管にある神経が刺激され、その刺激により血管の拡張が引き起こされ、さらにそれによって引き起こされた炎症が次々に血管を広がっていくと考えられています。
一方、片頭痛の発生とセロトニンという脳内の神経伝達物質との関連は1960年代から指摘されています。当初は頭痛発生時に大量に放出されたセロトニンが消えてなくなるときに血管が拡張して頭痛が発生すると考えられていました(「血管説」)。現在では、複数あるセロトニンの受容体のうち、片頭痛の発症に関連する受容体が特定されつつあり、そこに作用する薬が開発されています。
また、生活の中での片頭痛の誘因としては、睡眠不足やストレス、強い緊張からの解放、天気や気圧の変化などさまざまなことが考えられています。
自分がどのようなときに片頭痛を起こしやすいのか知ることが、片頭痛対策の第一歩ともいえます。自分の片頭痛の特徴を知るうえで役立つのが、頭痛ダイアリーです。
頭痛ダイアリーとは、頭痛が起きた日のことを日記のように記録しておくこと。記録しておくと頭痛の傾向がわかったり、いざ病院で診察してもらうときに情報を整理して伝えやすくなります。
頭痛ダイアリーにメモしておきたい情報として、以下があげられます。
専用のノートを作っても、普段使っているスケジュール帳にわかるようにメモしてもよいでしょう。スマホのアプリもあります。自分の負担にならない方法を探し、頭痛の情報をまとめてみましょう。
軽症の片頭痛は市販の頭痛薬で緩和することもありますが、頭痛薬の飲みすぎが頭痛の原因となることもあります。市販の頭痛薬を頼るのは、起きてしまった頭痛をどうしても早く緩和したいときだけに留め、長期の使用は避けましょう。本格的に痛む前に、少し早めのタイミングで飲むのがコツです。
市販の頭痛薬では効果が十分得られない場合、病院では片頭痛に対する効果が高い頭痛薬(特定のセロトニン受容体に作用するトリプタン製剤など)が処方されます。
痛みはじめの対処法としては、コーヒーなどのカフェインを含んだ飲み物を適量飲んだり、痛む部分を冷やしたりする方法があります。いずれも血管を収縮させる効果により片頭痛の緩和を期待できるというものです。頭痛薬を飲む前に試してみるのもよいでしょう。
なお、片頭痛で病院にかかると鎮痛薬の処方のほか、片頭痛の発作が起きる回数を減らす目的で予防療法を行う場合もあります。片頭痛の頻度が多いときや生活への支障が大きいときなどは、市販の頭痛薬などでやり過ごさず、早めに頭痛外来や内科、脳神経内科、脳神経外科などを受診しましょう。その際、頭痛ダイアリーを持参すると、診察の役に立つはずです。
大切なときに、片頭痛の発作が起こったら…と考えると、不安になることも多いでしょう。片頭痛のメカニズムは解明されていない部分も多いですが、痛みの対処だけでなく予防を目的とした治療を行うことができるという点では安心できる面もあるのではないでしょうか。自分の頭痛を理解し対処法を知っておくことで、少しでも快適に過ごしましょう。
[1]日本頭痛学会. “頭痛について知る” 日本頭痛学会webサイト http://www.jhsnet.org/ippan_zutu_kaisetu_02.html(参照2019-08-09)
[2]五十嵐久佳ほか. “4. 片頭痛の病態はどのように理解されているのですか” 慢性頭痛治療ガイドライン市民版 http://www.jhsnet.org/information/guideline/2.htm(参照2019-08-09)